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代表作を大阪で2年振りに公演。ますだ美季がひざの治療のためにしばらく休団するということで、いやがおうにも力が入った。ますだ美季にとっては、『夕立の男女』は劇団とっても便利での初舞台であり、思い入れも深い。結果として現時点では満足の行くものが出来たと思う。
今回の公演では、4月に入ったばかりの新人の活躍が目だった。舞台美術の織田、大瀬らが作り上げた「神殿の柱」はかなり評価が高かった。鴨谷・北村らの仕込み・ばらしでの活躍。中山らは稽古中につぎつぎと新しい演技のアイデアを出していくなどし、それぞれが持ち味をさっそく発揮していた。
それもこれも、演劇の講師＝大谷氏／ダンスの講師＝金谷氏を招いてのワークショップを開催するなど、団員一人一人の訓練システムの改革の成果とも言えるだろう。反省点は多々あったが、次回につながっていく盛り上がりを見せた公演だった。
今回は3回目の再演であったが、オーケストラは多少リズムを手直ししたのみで、他はまったく変えなかった。脚本も少し短くしただけで、あんまりいじらなかった。もっとも変わったのは演出。のむら、中島の二人を演出助手に据え、大野と一緒にアイデアを出しあった。一幕最初の通行人ダンスのアイデアなどはそこで出たものである。また、美術と照明のコラボレイションも密になり、照明の提案である
「柱」が、演出大野と美術プラン小塚との間で「神殿の柱」になり、それを大瀬・織田などが具体化させるという共同作業がなされた。
伝統ある「大阪春の演劇まつり」に初めて参加したが、参加団体のなかでも屈指の観客動員を記録した。
| この公演で音響を担当し、サントラのCDを作ったアニーが、この公演の直後の7/26に事故のため永眠した。劇団とっても便利のメンバーの最初の死者である。劇団とっても便利では、次回公演第2回EXPO大学演劇祭'99を、アニー追悼公演とすることに決定した。 |
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